【新興国小型株戦略】
BNPパリバ・アセットマネジメントにおけるコア・クオンツ株式運用(EQI)CIO兼リサーチヘッドのラム・ラサラトナムがこのほど来日し、新興国小型株戦略の直近の動向や今後の見通しを語りました。本レターでは新興国小型株の魅力と、新興国小型株市場のような非効率な市場でこそ効果を発揮するビッグデータ運用の優位性についてお伝えします。2026年2月末に始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃と石油市場等への影響が広がっています。その余波は新興国にも及んでおり、短期的には石油関連製品の不足などの混乱に直面しています。しかし中長期的に見ると、主要新興国は財政の健全性と内需の自律的拡大に支えられており、レジリエンス(回復力)を発揮するとみています。
■なぜ新興国かつ小型株なのか
2025年夏ごろから先進国株式のパフォーマンスを上回り始めた新興国株式ですが、背景には2つの理由があると考えられます。1つは、新興国企業の売上の多くが内需から生まれており、先進国と比較して高い成長が続いている新興国経済の成長・発展の恩恵を受けやすいという点です。新興国は人口増加や都市化、中間層の所得増加といった成長ドライバーがあり、その恩恵を直接受けられるという理由です。もう1つは逆説的ではありますが、新興国企業のグローバル化が進み、売上の約15%を先進国市場から得るようになっているという理由です。かつてのコモディティや国有企業が中心であった新興国市場から、より消費主導、知的財産(IP)・人材主導でガバナンスも改善した新興国市場に進化しているということです。つまり、新興国現地の高い成長の恩恵を受けながらも、先進国市場における成長分野のシェアも拡大しているのです。この数年間において、投資家のポートフォリオにおける新興国への投資配分が限定的だったということも新興国株式の魅力を高めています。新興国はそれぞれ異なるリスク・リターンのドライバーを持つ、多様な国々の集合体であるため、各国が独自の成長ストーリー、異なる投資機会を持っています。

また、新興国株式の中でも、新興国小型株は、より高い成長を遂げる企業へのアクセスを得やすい領域だと考えられます。新興国大型株と比較しても、内需型の企業の比率が高く、それぞれの国の成長をダイレクトに捉えることが可能です。新興国小型株は企業数も多いことから、市場の非効率性が見られるのも大きな特徴の1つとなっています。こうした特徴から、新興国小型株市場にはリターン機会が幅広く分散しており、国選択や銘柄選択による付加価値創出の余地が大きい市場であると言えるでしょう。
さらに、新興国小型株は、先進国株式との相関が低いことも特徴の1つとなっています。一例として、過去5年間において、ビッグデータ新興国小型株戦略を日本株ポートフォリオに組み入れた場合、日本株との低い相関と新興国小型株の高いパフォーマンスによって、効率性の指標であるシャープレシオに改善効果が見られることが確認できます。以下の図表でも示しているように、2.5%や5.0%といった限定的な資産配分であっても、ビッグデータ新興国小型株戦略を組み入れることでポートフォリオの効率性は大きく向上させることが期待されます。

■なぜビッグデータ運用が効果的なのか
日本でもAI運用を行う金融商品、ビッグデータを活用した金融商品の人気が拡大しており、資産形成層を中心にそういった運用手法に対する認知度も高まってきているようです。EQIの投資プロセスもビッグデータを活用したクオンツ投資を行っていますが、重要なのは、こうした投資手法は非効率な市場でこそ、より効果を発揮するということです。高い成長性が見込まれる新興国企業ですが、情報開示のレベルが先進国に比べて低いことから、市場の非効率性が高くなっており、新興国小型株市場ではより一層その傾向が強いと言えます。企業調査を専門的に行うアナリストの数を見ても、先進国や新興国の大型株に比べるとその数は限定的です。また、新興国小型株は企業数が多いこともあり、アナリストが1人もカバーしていない企業が約22%と他の市場に比べて多いのも特徴です。このように新興国小型株は企業情報が十分でないケースが多く、企業価値が正しく評価されないミスプライシングが起こりやすくなります。

■なぜ株式クオンツ投資(EQI)チームなのか

最後に、なぜBNPパリバ・アセットマネジメントのEQIチームの運用に優位性があるのかを取り上げたいと思います。まず、40年以上にわたるクオンツ運用の実績を持つ経験豊かな投資チームであるという点が挙げられます。また、経験豊富なリーダーシップチームのもとで、多くのメンバーが継続して働いており、モデルの改善、投資アイデア創出に携わっています。そして、先進国と比べて非効率な市場である新興国・アジア株式市場で1999年からの長い運用実績を持つという点も強みとなっています。EQIでは、約5,300社の新興国小型株企業に関する分析をカバーしており、MSCI新興国小型株指数の対象銘柄数である約1,900社を大きく上回っています。また、予測不能なカントリーリスクや通貨リスクを体系的に管理する一方で、リスクとリターンを決める主因は銘柄選択であるとの信念から極めてアクティブなポートフォリオの構築を行っています。その結果、ベンチマークや同じ資産クラスを対象としたファンドの中でも、トップクラスの運用実績を維持しています。

BNPパリバ・アセットマネジメントの新興国小型株戦略では、ビッグデータ運用の優位性を活用し、新興国小型企業の投資機会や成長性、分散投資を追求しつつ、優れたリターン創出を目指しています。当戦略が設定された2019年10月からのパフォーマンスは、新興国株式市場、新興国小型株式市場を大きく上回っています。当戦略をスタートして7年目に入りましたが、EQIチームが40年以上にわたって培ってきたクオンツ運用の経験を活かし、継続的な研究開発によって進化を続ける運用モデルによるアルファ創出に今後も注力していく方針です。
過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。
本資料で使用している指数について
MSCIワールド指数:MSCI社が公表している先進国の株式市場の値動きを示す時価総額加重平均型指数です。
MSCI新興国株指数及びMSCI新興国小型株指数:MSCI社が公表している新興国の株式市場及び小型株式市場の値動きを示す時価総額加重平均型指数です。
※本レポート中の指数等の著作権、知的財産権、その他一切の権利はその発行者に帰属します。
ご留意事項
本レポートは情報提供のみを目的としており、特定の有価証券や BNPパリバ・アセットマネジメント株式会社またはその関連会社による投資、商品またはサービスを購入または売却するオファーを構成するものではなく、またこれらは勧誘、投資、法的または税務アドバイスとして考慮すべきではありません。本レポートで説明された戦略は、管轄区域または特定のタイプの投資家によってはご利用できない可能性があります。本レポートで提示された意見、推計および予測は掲載時の主観的なものであり、予告なしに変更される可能性があります。予測が現実になるという保証はありません。本レポート料に記載されている情報に依存するか否かについては、読者の独自の判断に委ねられています。本レポートには投資判断に必要な十分な情報は含まれていません。
投資リスクおよび費用について
当社が提供する戦略は、主に有価証券への投資を行いますが、当該有価証券の価格の下落により、投資元本を割り込む恐れがあります。また、外貨建資産に投資する場合には、為替の変動によっては投資元本を割り込む恐れがあります。したがって、お客様の投資元本は保証されているものではなく、運用の結果生じた利益及び損失はすべてお客様に帰属します。
また、当社の投資運用業務に係る報酬額およびその他費用は、お客様の運用資産の額や運用戦略(方針)等によって異なりますので、その合計額を表示することはできません。また、運用資産において行う有価証券等の取引に伴う売買手数料等はお客様の負担となります。
BNPパリバ・アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 登録番号: 関東財務局長(金商) 第16号
加入協会: 一般社団法人 資産運用業協会、日本証券業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
本記事のダウンロードはこちら