BNPパリバ・アセットマネジメント(BNPP AM)は、2022年6月に「サステナブルへの回帰 検証:当社のポートフォリオにおける生物多様性フットプリント」を公表いたしました。約1年前に、BNPP AMは「サステナブルへの回帰:生物多様性のロードマップ」を公表し、この危機の性質や緊急性について見解を示すとともに、積極的な対応をどのように行っているのか明らかにしました。そして様々なツールを活用し、私たち自身の自然に対する依存度と影響度を理解することに努めてきました。特にグローバルに運用している資産の分析を行い、水・森林伐採リスクに対するエクスポージャーを把握しました。
水の過剰消費、森林伐採、持続不可能な土地管理がもたらす結果の1つとなるのは、生物多様性の喪失です。生物多様性の喪失は、社会や経済、そして最終的には投資家に影響を及ぼす恐れがあります。この理由から、私たちは水・森林伐採フットプリントに関する取り組みを追加データで補い、世界的な生物多様性喪失に対するエクスポージャーや影響をより包括的に把握することを決断しました。
企業から得られる生データとこのデータを投資判断に融合するツールは、いずれも早急に必要とされるものです。また、市場は生物多様性の喪失がもたらすリスクを全て把握・開示する一貫性のある枠組みも必要としています。このため、2020年3月、私たちはAXA Investment Managers、Sycomore Asset Management、Mirova(Natixis Investment Managersの関連会社)とともに、投資家が自身の生物多様性への影響を測定できるツールの提供が可能な調査会社を世界中から探し出すことをスタートしました。
私たちは関心表明の呼びかけ(CEI:Call for Expression of Interest)による体系的な選考プロセスを通じて、最終的にIceberg Data LabとiCare & Consultを選びました。このプロセスは、リサーチツール策定に向けた一連の指針によって選考されたもので、Global Canopy、世界自然保護基金(WWF)、ロンドン動物学会(ZSL)、CDC Biodiversité、国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)、資本連合(Capitals Coalition)等の自然関連の専門機関のサポートを受けるとともに、情報や意見を得ることができました。
本稿は、Iceberg Data Labの分析を活用し、当社の投資先の生物多様性フットプリントを判定する取り組みから得られた初の調査結果となります。この第1段階の分析では、悪影響のみに焦点を当てています。そのため、当社の自然に対する依存度、あるいは自然喪失によって直面する金融リスクには対応していません。生態系サービスに対する依存度の初期評価については、昨年公表した「サステナブルへの回帰:生物多様性のロードマップ」で提供しています。
本稿の目的は、BNPP AMがグローバルポートフォリオに組み入れている投資先の生物多様性フットプリントを分析し、それがどのようなもので、どのように使用できるかを理解すること、そしてこうしたツールに必要な主な改善点を割り出すことです。
